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環境認識その④:ダブルボトム後の押し目買いエントリーを極める(ネックライン攻略編)
エントリー後こそ「環境認識」が重要になる
前回は、ダブルボトムからネックライン(戻り高値)を上抜き、押し目を狙うエントリーパターンを解説しました。
しかし、実際にポジションを持ったあとに最も悩むのが「この上昇は本物なのか?」「どこまで持てば良いのか?」という判断です。
そこで今回は、上昇トレンドがこのまま継続するのか、それとも失速して下落に向かうのかを見極めるためのチェックポイントを、3つの視点にまとめて解説します。
トレンド継続 or 失速を判断する3つのチェックポイント
上昇が続くかどうかを判断するには、次の3つに着目するだけで十分です。
- 20MA(移動平均線)の傾きと価格の位置
- 高値更新の「成功」または「失敗」
- 押し安値や重要な安値を割り込んでいないか
① 20MAの傾きと、ローソク足の位置を確認する
最初の判断基準は20MAの「傾き」です。トレンドが継続しているときは、20MAが右肩上がりで推移し、押し目が入っても20MA付近で反発して再び高値を更新する動きが出てきます。
逆に、価格が20MAを下抜けたまま戻れなくなったり、20MAが横ばい〜右下がりに変化してくると上昇の勢いが弱まり始めているサインです。
「20MAが上向きのまま」「ローソク足が20MAより上に戻れるか」を目安に判断しましょう。
② 高値更新の成功・失敗を見る
次に大切なのが、高値更新に成功したかどうかです。押し目をつけたあとに直近高値をしっかり上抜いてくるようなら、トレンドは継続している可能性が高まります。
一方で、前回高値を超えられずヒゲだけで押し返されたり、更新に失敗して横ばいが続くようなら、上昇の勢いが鈍り始めているサインです。
エントリー後の「答え合わせ」として必ずチェックしておきましょう。
③ 押し安値や重要な安値を割っていないか
最後に見るべきは、押し安値(直近の安値)を割り込んでいないかどうかです。
押し安値を割ると「高値・安値の切り上げ」が崩れ、上昇トレンドの前提が弱まります。
さらに、ダブルボトムのボトム価格まで下落してくる場合は、上昇への転換シナリオそのものが否定されつつある状況です。
「どこを割ったら上昇シナリオをいったん撤退するか」をあらかじめ決めておくことで、感情に左右されずに判断できます。

3つの視点を組み合わせて「感覚トレード」を卒業する
20MA、高値更新、安値割れ。この3つをセットで見ることで、上昇が継続するのか、それとも失速して反転する可能性が高いのかを、感覚ではなく客観的に判断できます。
エントリー後の環境認識は、多くのトレーダーが曖昧になりがちな部分です。今回紹介したチェックポイントを使うことで、保有判断・利確判断に迷いが減り、より安定したトレードにつながります。
■ 次回予告
次回の記事では、今回の“継続 or 失速”判断を、
200MAと20MAの位置関係から「相場の本流」を読み解く方法に発展させます。
同じ「上昇の失速」でも、
・200MAが20MAより下(長期上昇)なら、押し目形成の序盤
・200MAが20MAより上(長期下降)なら、戻り売りポイント到達
このように、大局の位置によってトレンドの意味はまったく異なります。
「押し目買いなのか?戻り売りなのか?」を迷わない相場観を身につけていきます。


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