トレードでこんな経験はありませんか。
- 想定と違う動きが起きると、毎回慌ててしまう
- エントリー後に「どうすればいいか」を考え始めてしまう
- 動きが止まっているときに、何を見ればいいか分からない
これらはすべて、事前にシナリオを立てていないことで起きる問題です。
シナリオを立てるとは、相場が動く前に「もし上に行ったらこうする・下に行ったらこうする」を決めておくことです。
事前にシナリオを立てておけば、どちらの動きが起きても慌てず対応できます。
この記事では、IF-THEN型のシナリオの立て方を解説します。

結論|上下2つのシナリオを事前に立てる
シナリオの立て方の基本はシンプルです。
「もしAになったらB」を上下それぞれで決めておきます。
- 現在地を把握する:今の相場の状態(200EMA・ダウ構造・水平線)
- シナリオAを立てる:上に動いた場合のIF-THEN
- シナリオBを立てる:下に動いた場合のIF-THEN
- 動いた方向のシナリオで動く:先に決めた条件が満たされたらエントリー
上の画像では、200EMAより下の売り目線の状態から、シナリオ①(戻り高値超えで上昇転換)とシナリオ②(200EMAでWトップ形成して再下落)の2つを事前に立てています。
動きが起きる前にシナリオが決まっていれば、相場が動いた時に判断がブレません。
なぜシナリオを立てる必要があるのか
シナリオを立てる必要がある理由は2つあります。
理由①:感情の介入を防ぐため
相場が動き始めてから判断しようとすると、感情が介入します。
「もっと上がるかも」「下がりそうで怖い」といった感情が、本来の判断を歪めます。
動く前にシナリオを決めておけば、動いた時にはルール通りに動くだけになります。
理由②:チャンスを逃さないため
シナリオがないと、相場が動いた時に「考える時間」が必要になります。
その間にエントリーポイントが過ぎ去ってしまうことがあります。
事前にシナリオがあれば、条件が揃った瞬間に動けます。
シナリオの立て方の手順
具体的な手順を見ていきます。

ステップ①:現在地を把握する
まず今の相場の状態を整理します。
- 200EMAの向きと位置(上向き/下向き/横ばい)
- 価格は200EMAの上か下か
- ダウ構造(高値・安値の更新状況)
- 意識される水平線・ネックライン
- 反転パターン(Wボトム・Wトップ・三尊など)の有無
上の画像では、「200EMAより下で推移→売り目線で見ていく」という現在地の認識から始めています。
ステップ②:上方向のシナリオ(シナリオA)を立てる
上に動いた場合の条件と対応を決めます。
- IF(条件):何が起きたら上方向のシナリオか
- THEN(対応):どう動くか
上の画像のシナリオ①では、以下のように設計されています。
- IF:戻り高値を超える
- THEN:ダウ形成して上昇転換
「もし戻り高値を超えたら、上昇転換のサインとして買い目線に切り替える」という設計です。
ステップ③:下方向のシナリオ(シナリオB)を立てる
下に動いた場合の条件と対応を決めます。
上の画像のシナリオ②では、以下のように設計されています。
- IF:200EMAでWトップを形成
- THEN:再下落
「もし200EMAでWトップを形成したら、再下落のサインとして売り目線で動く」という設計です。
ステップ④:動いた方向のシナリオで動く
シナリオが揃ったら、あとは相場が動くのを待ちます。
動いた方向のシナリオの条件が満たされた瞬間に、決めた通りにエントリーします。
「待つ→確認する→動く」の順番を守ることが重要です。
シナリオを立てる時のポイント
ポイント①:両方向のシナリオを必ず立てる
「絶対に上がる」と決めつけてシナリオを片方しか立てないと、想定外の動きで対応できません。
どちらに動いてもいいように、両方のシナリオを準備します。
ポイント②:根拠を複数組み合わせる
シナリオの条件は、できるだけ複数の根拠を組み合わせます。
上の画像のシナリオ②では、200EMA(レジスタンス)+ Wトップ(反転パターン)の2つが組み合わさっています。
根拠が複数あるシナリオほど、優位性が高くなります。
👉 損切り幅を小さくする工夫|時間足を落として複数の根拠で早く入る
ポイント③:シナリオが崩れる場所も決めておく
シナリオには「ここを超えたら否定」という基準も含めます。
これが損切りの場所になります。
エントリー条件と否定条件はセットで考えます。
ポイント④:両方のシナリオが満たされない場合は待つ
レンジ内で価格が行き来する場合、どちらのシナリオも満たされません。
その場合は無理にエントリーせず、シナリオが揃うのを待ちます。
👉 レンジとトレンドの見極め方|200EMAの向きで判断が変わる
シナリオを立てる練習方法
シナリオの立て方は、訓練で精度が上がります。
- 毎日相場を観察する
チャートを開いて現在地を把握する習慣をつける - 2つのシナリオを書き出す
ノートやスマホメモに「IF:〇〇 → THEN:〇〇」と書き出す - 結果を確認する
次の日に「どちらのシナリオが正しかったか」を確認する - 振り返りを記録する
外れた場合は何が原因かを考える
これを繰り返すことで、シナリオの精度が上がっていきます。
よくあるミス
片方のシナリオしか立てない
「上がるはず」「下がるはず」と決めつけると、想定外の動きで損失が拡大します。
必ず両方のシナリオを立てます。
シナリオを動かしながらトレードする
エントリー後に「やっぱり別のシナリオの方がいい」と途中で変更するのは避けます。
事前に決めたシナリオを守ることが、再現性の基本です。
シナリオが崩れたのに持ち続ける
「もう少し戻るかも」とシナリオが崩れた後も持ち続けると、損失が拡大します。
シナリオが崩れたら、潔く撤退します。
条件が曖昧なシナリオを立てる
「上に行ったら買う」だけでは、どこから上なのか不明確です。
「戻り高値を超えたら買う」のように、具体的な価格や構造で条件を決めます。
チェックリスト
- 現在地(200EMA・ダウ構造・水平線)を把握しているか
- 上下両方のシナリオを立てているか
- 各シナリオのIF(条件)が具体的か
- 各シナリオのTHEN(対応)が決まっているか
- シナリオが崩れる場所(損切り位置)を決めているか
- 条件が満たされない場合は待つルールがあるか
まとめ|事前にシナリオを立てれば判断がブレない
シナリオの立て方の流れをまとめます。
- 現在地を把握する:200EMA・ダウ構造・水平線を確認
- シナリオAを立てる:上に動いた場合のIF-THEN
- シナリオBを立てる:下に動いた場合のIF-THEN
- 動いた方向のシナリオで動く:条件が揃ったらエントリー
シナリオを事前に立てる習慣がつくと、相場の動きに振り回されなくなります。
「想定外の動き」がなくなり、どちらに動いてもルール通りに対応できるようになります。
シナリオの立て方は、これまでの環境認識・エントリー・損切り・利確のすべてを統合する考え方です。
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この記事は「環境認識」シリーズの一部です。

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