これまでの環境認識シリーズ①〜⑪では、ダウ理論・押し目と戻り・三尊/逆三尊・トレンドライン・MAの方向性といった「相場の基礎構造」を学んできました。
今回はその総まとめとして、S&P500の週足チャートを教材にしながら、あらゆる環境認識の要素がどのように連動しているのかを体系的に整理します。
S&P500週足はノイズが少なく、トレンド転換(レジサポ転換・三尊・逆三尊)が非常にわかりやすいため、環境認識を身につける上で最強の教材です。
S&P500週足が“環境認識の教科書”である理由
- 長期トレンドが非常に綺麗で、ダウ構造の理解が深まる
- 押し目は必ず200EMA付近で止まりやすい(最終防衛ライン)
- 三尊・逆三尊・Wボトム・Wトップが教科書どおり
- レジサポ転換が多く、トレンド転換の理解がしやすい
- 25EMA, 75EMA, 200EMA が明確に“役割分担”している
まずはチャート全体をご覧ください。
① 押し目の本質:200EMAが最終防衛ラインになる理由
S&P500の長期チャートを見ると、以下の特徴が一貫しています。
- 上昇トレンド中は200EMAの下で推移する期間がほぼゼロ
- 大きな調整が来ても200EMAで必ず反発
- 200EMAは「長期の買い勢力が必ず守るライン」
短期足では押し目が揺れますが、週足では押し目の“本質”が非常に明確です。
つまり、押し目買いの原則はこうなります:
押し目とは「長期トレンドの中で一時的に下がっただけの波」。
その最深部が 200EMA 付近になる。
その最深部が 200EMA 付近になる。
② トレンド転換の典型パターン(実例で解説)
S&P500の週足チャートには、トレンド転換の王道パターンがすべて登場しています。ここでは代表例をピックアップして解説します。
● 三尊(ヘッド&ショルダー)→ 下落トレンドへ
- 高値圏で上ヒゲが増える
- 左肩 → 頭 → 右肩が明確
- ネックライン割れで急落
- 下降トレンドラインに沿って下落が続く
● 逆三尊 → 長期上昇トレンドへ
- 下降トレンドの終盤で底固め
- 右肩の反発が強く、25EMAを上ぬける
- トレンドラインをブレイク → 上昇へ転じる
● ダブルトップ → 下落へ
- 上値を2回叩かれ、売り圧力が強い状態
- ネックライン割れで一気に下へ
● ダブルボトム → 上昇へ
- 安値を割れずに2点底を形成
- ネックライン突破で強い上昇トレンドへ
③ レジサポ転換が「トレンドの壁」を作る
S&P500の週足の最大の特徴は、レジサポ転換が非常に綺麗に出ることです。
チャートでも:
- 過去の高値 → レジスタンスとして機能
- ブレイク後 → 同じラインがサポートとして機能
- レジサポの切り替わりで、相場の方向性が変わる
レジサポ転換は “市場参加者の意識が切り替わる場所”
=トレンドの起点になる最重要領域。
=トレンドの起点になる最重要領域。
④ EMAの役割分担(25 / 75 / 200 の使い分け)
- 25EMA:短期トレンド(勢い)を見る
- 75EMA:中期の押し目・戻りの判断
- 200EMA:長期トレンドそのもの
特に週足では:
- 25EMAが横ばい → 相場が迷っている
- 75EMA付近 → 中期の押し目
- 200EMA → 最終的な押し目(長期上昇の防衛ライン)
大局の判断を曖昧にしないために、EMAの役割をこのように分けて考えることが非常に重要です。
⑤ まとめ:環境認識の「答え合わせ」は長期足にある
短期足だけでは押し目も戻りも“見た目”が騙しやすいですが、長期足にはほとんど騙しがありません。
S&P500週足が示しているのは、環境認識の本質が以下の4つに集約されるということです:
- 強い相場では200EMAまで下がらない(押し目が浅い)
- 三尊・逆三尊・ダブルボトムはトレンドの分岐点
- レジサポ転換が方向転換の決定打になる
- EMAの方向性がトレンドの“向いている方向”を教えてくれる
今回の週足チャートのように、長期で環境認識を読み取ることは、短期のエントリー精度を上げるための「答え合わせ」となります。
次回は、この週足の動きを短期足へどのように落とし込むかを解説していきます。
■ 次回予告
次回は、週足でつかんだ大局をどのように日足・4時間足へ落とし込み、
実際のトレードに直結するエントリーポイントを抽出する方法を解説します。


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