はじめに
三尊完成後の戻り売りは、RR比3〜6を狙いやすい最も効率的な場面の一つです。
ただし、ネックライン割れだけで売ると踏まれやすく、戻りを待ちすぎると機会を逃します。
この記事では、三尊完成後にどこで戻り売りを狙うべきかを、RR比3〜6を基準に整理します。
前回の記事では「損切りの本質」について整理し、損切りは“シナリオが否定される場所”に置くべきである、という話をしました。
今回はその続きとして、三尊(ヘッド&ショルダー)完成後の戻り売りを題材に、損切り位置と利確位置を結びつけたリスクリワード(RR比)の作り方を解説します。
以下の図のように、今回のケースではRR比が3.6という非常に良い状況が生まれています。この記事では、その根拠と具体的な判断手順をチャートで解説します。

三尊が完成し「上には行けない」構造が確定
✔ 戻りがネック付近またはMAで止まる
✔ 直前の下降の勢いが強い
✔ RR比3以上が確保できる→ 3つ以上当てはまれば検討
チャート左側では力強い上昇が続いていましたが、次第に高値更新が弱まり、左肩 → 頭 → 右肩の三尊が形成されました。
三尊とは、「高値を更新できない」ことが明確にチャートに現れる反転パターンです。
- 左肩:高値更新が一度止まる
- 頭:最高値をつけるが、その後伸びない
- 右肩:さらに弱い戻りで高値を超えられない
これらの動きは、人間の心理で言えば「買いの限界」を表します。右肩で高値更新ができなかった時点で、売り圧力>買い圧力が見え始めます。
押し安値割れでトレンド転換を確認
三尊の右肩が完成した後、価格は重要な押し安値を明確に割り込みました。
これは、上昇トレンドの終了=下降トレンドへの転換を示すサインです。
上昇トレンドの定義は「高値・安値の切り上げ」ですが、押し安値を割る瞬間にこの条件が崩れます。つまり、この時点で上目線を捨てて「横ばい」あるいは「売り目線」に切り替わります。
25EMAを下抜け → 次の足で戻り売りエントリー
押し安値割れの後、価格は25EMAに対して下方向のトレンド転換を示します。
具体的には、
- 25EMAを下抜ける
- 次の足で反発が弱い
- 戻り売りに適した形が出る
ここで売りエントリーが発動します。
これは「三尊+押し安値割れ+移動平均線の転換」という、複数の根拠が揃った非常に強力な売りシナリオです。
損切りラインは「右肩の上」
売りエントリーにおける損切り位置は、三尊の右肩の少し上。
理由はシンプルで、
- 右肩を超えたら三尊否定
- 下降トレンド再開シナリオが崩れる
つまり、ここを割り込んだら売りの根拠が消えるので撤退すべきポイントになります。
利確ラインは「強い反発ポイント」
利確ラインは、過去に何度も反発していた重要な水平線です。チャートの反発履歴を見ると、ここは明確に買いが入りやすいゾーンであることが分かります。
テクニカル的な理由:
- 過去に複数回反発している
- 下降中の一旦の止まりやすい価格帯
- チャネル下限とも重なりやすい
したがって、このレベルを利確目標(TP)に設定するのは非常に合理的です。
200EMAが横ばいの局面では、三尊完成後でも方向が定まりにくいことがあります。
→ 横ばい局面の判断も参考にしてください。
RR比=3.6 の計算と意味
今回のケースでは、
- リスク(損切り幅):右肩の上までの距離
- リワード(利確幅):反発ラインまでの下降幅
これらを比較すると、
RR比=3.6
=「1回負けても、次の1回で十分取り返せる」
=「勝率が多少低くても利益が残る設計」
これが、プロが最も重視する負けにくいエントリーです。
三尊完成後の戻り売りチェックポイント
- ネックラインを明確に割っているか
- 戻りがネック付近で止まるか
- 戻り高値を更新していないか
- 直近安値までRRが確保できるか
この4点が揃う場面は、最もリスクリワードが取りやすいポイントになります。
まとめ
-
- 三尊は「高値更新ができない=買い圧力の限界」を示す最強の反転パターン
- 押し安値割れで上昇トレンドは終了 → 下目線へ切り替え
- 25EMA下抜け後の戻り売りが“勝てる位置”
- 損切りは右肩の上:シナリオ崩壊ポイント
- 利確は過去の明確な反発ライン
- RR比3.6は「少ない勝率でも勝てる」理想的な設計
エントリー前に迷ったら「未来」ではなく「左側(過去)」を見る、という考え方はこちらで整理しています。
三尊だけでなく、環境認識の全体像を整理したい方は
▶ 環境認識シリーズまとめ
から順番に読むのがおすすめです。
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