三尊完成後の戻り売りは、RR比3〜6を狙いやすい、最も効率的な場面の一つです。ただし、ネックライン割れだけで飛びつくと踏まれやすく、逆に戻りを待ちすぎると機会を逃します。
この記事では、三尊(ヘッド&ショルダー)完成後にどこで戻り売りを狙うべきかを、損切り位置と利確位置を結びつけたリスクリワード(RR比)の作り方として、RR比3〜6を基準に整理します。
前回の環境認識その⑨(損切りの本質)では、損切りは「シナリオが否定される場所」に置くべき、という話をしました。今回はその続きとして、実際のチャートでRR比3.6が生まれる根拠と判断手順を解説します。

結論:損切り「右肩の上」×利確「過去の反発ライン」でRR比3.6を作る
三尊完成後の戻り売りは、ネックライン下抜け→押し安値割れ→25EMA下抜けという複数根拠が揃った所でエントリーし、損切りを「右肩の少し上(シナリオ否定ライン)」、利確を「過去に何度も反発している水平線」に置くことで、RR比3.6という負けにくい設計が作れます。
全体の流れを先に示すと、次の通りです。
- ① 三尊完成:左肩→頭→右肩で「高値更新できない=買い圧力の限界」が確定
- ② 押し安値割れ:上昇トレンドの定義(高値・安値切り上げ)が崩れ、下目線へ
- ③ 25EMA下抜け→戻り売り:移動平均線の転換を確認して売りエントリー
- ④ 損切り=右肩の上:超えたら三尊否定=売り根拠が消える撤退点
- ⑤ 利確=過去の反発ライン:何度も買いが入った水平線・チャネル下限
- ⑥ RR比=3.6:勝率が多少低くても利益が残る設計
三尊が完成し「上には行けない」構造が確定
チャート左側では力強い上昇が続いていましたが、次第に高値更新が弱まり、左肩 → 頭 → 右肩の三尊が形成されました。三尊とは、「高値を更新できない」ことが明確にチャートへ現れる反転パターンです。
- 左肩:高値更新が一度止まる
- 頭:最高値をつけるが、その後伸びない
- 右肩:さらに弱い戻りで高値を超えられない
これらの動きは、人間の心理で言えば「買いの限界」を表します。右肩で高値更新ができなかった時点で、売り圧力>買い圧力が見え始めます。
三尊完成後の戻り売りチェックリスト
✔ ネックラインを明確に下抜けている
✔ 戻りがネック付近またはMAで止まる
✔ 直前の下降の勢いが強い
✔ RR比3以上が確保できる
→ 3つ以上当てはまれば検討
押し安値割れでトレンド転換を確認
三尊の右肩が完成した後、価格は重要な押し安値を明確に割り込みました。これは、上昇トレンドの終了=下降トレンドへの転換を示すサインです。
上昇トレンドの定義は「高値・安値の切り上げ」ですが、押し安値を割る瞬間にこの条件が崩れます。つまりこの時点で上目線を捨て、「横ばい」あるいは「売り目線」へ切り替わります。
25EMAを下抜け → 次の足で戻り売りエントリー
押し安値割れの後、価格は25EMAに対して下方向のトレンド転換を示します。具体的には、
- 25EMAを下抜ける
- 次の足で反発が弱い
- 戻り売りに適した形が出る
ここで売りエントリーが発動します。これは「三尊+押し安値割れ+移動平均線の転換」という、複数の根拠が揃った非常に強力な売りシナリオです。
損切りラインは「右肩の上」
売りエントリーにおける損切り位置は、三尊の右肩の少し上です。理由はシンプルで、
- 右肩を超えたら三尊否定
- 下降トレンド再開シナリオが崩れる
ここを割り込んだら売りの根拠が消えるので、撤退すべきポイントになります。損切りを「シナリオが否定される場所」に置く、という前回⑨の考え方がそのまま生きています。
利確ラインは「過去の強い反発ポイント」
利確ラインは、過去に何度も反発していた重要な水平線です。チャートの反発履歴を見ると、ここは明確に買いが入りやすいゾーンであることが分かります。テクニカル的な理由は次の通りです。
- 過去に複数回反発している
- 下降中の一旦の止まりやすい価格帯
- チャネル下限とも重なりやすい
したがって、このレベルを利確目標(TP)に設定するのは非常に合理的です。
なお、200EMAが横ばいの局面では、三尊完成後でも方向が定まりにくいことがあります。→ 横ばい局面の判断も参考にしてください。
RR比=3.6 の計算と意味
今回のケースでは、
- リスク(損切り幅):右肩の上までの距離
- リワード(利確幅):反発ラインまでの下降幅
これらを比較すると、RR比=3.6。これは「1回負けても、次の1回で十分取り返せる」「勝率が多少低くても利益が残る設計」を意味します。これが、プロが最も重視する負けにくいエントリーです。
三尊完成後の戻り売りチェックポイント
- ネックラインを明確に割っているか
- 戻りがネック付近で止まるか
- 戻り高値を更新していないか
- 直近安値までRRが確保できるか
この4点が揃う場面は、最もリスクリワードが取りやすいポイントになります。
まとめ
- 三尊は「高値更新ができない=買い圧力の限界」を示す最強の反転パターン
- 押し安値割れで上昇トレンドは終了 → 下目線へ切り替え
- 25EMA下抜け後の戻り売りが“勝てる位置”
- 損切りは右肩の上:シナリオ崩壊ポイント
- 利確は過去の明確な反発ライン
- RR比3.6は「少ない勝率でも勝てる」理想的な設計
エントリー前に迷ったら「未来」ではなく「左側(過去)」を見る、という考え方も併せて押さえておくと、利確ラインの引き方が安定します。
なお、同じRR比でも「環境」によって勝率は大きく変わります。次の環境認識その⑪(RR比の3つのケーススタディ)で、「伸びる波・伸びない波」の見分け方を整理しています。
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この記事は「環境認識」シリーズの一部です。


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